バイクの通行規制はどうなっている?
南国のトロピカルな風を体に受けて美しい海を横に走行できる沖縄ツーリングは、ライダーにとってはぜひ足を延ばしたいツーリングロケーションとして人気があります。
しかし沖縄では、バイクに対して独自のルールがあるため、ツーリングに出かける際には注意が必要です。
沖縄では、1983年から県内の主な国道においてバイクは第1通行帯を走らなければいけないという規制を行っています。
対象となっているのは国道329号線と330号線、そして58号線で、規制対象となった距離は約82kmにも及びました。
これはバイクを利用する人の交通事故を抑制するためという目的と、交通マナーの向上を目的として行われた規制策です。
沖縄県は県内を網羅する鉄道システムがなく、マイカーやバイクが県民の移動手段となっています。
そのため都市部では交通渋滞がひどく、バイク同士の事故や自動車とバイクとの事故が多発していました。
そうした背景を受けて制定された通行規制だったのです。
2021年に一部見直しが施行
沖縄県全域を通して規制されていたバイクの第1通行帯しか走行できないというルールは、2021年3月から一部で規制が解除となりました。
解除となったのは、沖縄市を通る国道329号及び県道255号線で、沖縄市比屋根交差点からうるま市の東恩納南交差点にかけての約11kmです。
規制解除のきっかけは、バイクを利用する人のマナーが向上したことや事故件数が減少したこと、そして交通環境が変化したことなどが挙げられます。
規制がかけられていた全域で解除となったわけではありませんが、一部部分的に解除して様子を見ようというのが今回の規制見直しの意図です。
こうした規制が実施されているのは、上記した沖縄県内の主要な国道や県道です。
しかし県内にはバイクや自動車が混在する一般道が数多くあり、そうした道路においても危険なシーンは日常的に起こります。
県内では車を運転しない人のためにバスが広く網羅したり、車の数が多いために路上駐車する車もたくさんあります。
そのため、第1通行帯を走っているバイクでもこうした車の後ろで止まらずに走り続けるためには車線変更しなければいけませんし、場所によっては車線変更が頻繁になることも珍しくありません。
沖縄へツーリングに出かける人の多くは、沖縄でバイクをレンタルします。
その際には、レンタルショップがこうしたルールを説明してくれることが多いのですが、走り慣れていないライダーにとっては実行することは考えるよりも難しいです。
例えば道路の左側を走行しているバイクが、交差点で右折しなければいけない時には車線変更しながら最も右車線まで移動しなければいけません。
きっかけがつかめずに右折できないという事態も起こりかねません。
今後は、そうした危険要素についての対策も望まれることでしょう。