マスツーリングでは後続車のほうが負担が大きい
ソロや2~3人でのツーリングに比べて、マスツーリンクでは後続車のほうが負担が大きくなります。
基本的には千鳥走行もしくは一列縦隊で走行する形となりため、車間距離を正しく維持しつつ速度やコーナーリングなどを工夫する必要があるからです。
その一方で、マスツーリングでは慣れている人が先頭になって牽引するケースも多く、慣れない人が後をついていく形になると大変な思いをすることもあります。
慣れているライダーは当然後続車に配慮しながら走行するわけですが、それでも後続車は緊張したり、ハラハラすることが多いのです。
マスツーリングの醍醐味は、「集団でありながら個人としての走行も楽しめる」点です。
風を切ってバイクと一体になりながら走行する個人的な楽しみを味わいつつ、ツーリングの楽しみを仲間全員と共有できる、これこそマスツーリングの面白さと言えるでしょう。
そのためには、適度な車間距離を保つ必要があります。
しかしこれがなかなか難しく、後続車の負担になってしまうこともしばしばなのです。
あまり車間距離が短いと走行の醍醐味を味わうことができませんし、カーブや急停車の際に危険が生じる恐れがあります。
一方で車間距離が長すぎると一列縦隊が長くなり周囲の迷惑になってしまうほか、信号を渡る途中で赤になってしまい列が途切れてしまうこともあります。
程よい車間距離を保つためにはやはり後続車が意識して運転する必要があるため、どうしても負担が大きくなってしまうわけです。
適度な車間距離の保ち方とは?
「これぐらいの距離が理想的」という目安があればよいのですが、バイクの種類や速度などによって理想的な車間距離に違いが出てきます。
一般的には「2秒の間」が理想的、つまり後続車が2秒後に前の車の位置に到達する距離が理想的とされています。
ですから、バイクの速度によって実際の距離が変わってくることになります。
そしてもうひとつ、直線やカーブなど道路の状況によって車間距離に変化が生じます。
前のバイクが直線からカーブに差し掛かれば、当然のことながらまだ直線を走っている後続車との距離が縮まります。
そうしたとき、焦ってスピードを落とさないことが重要です。
後続車もカーブに差し掛かれば当然スピートが落ちるわけですから、あくまでこれまでのペースを維持して運転することが大前提です。
焦ってスピードを落とすと、自分の後続車との車間距離が急に縮まって危険になる可能性があります。
マスツーリングの際にはあらかじめベースとなる速度を決めておき、「2秒」の車間距離がどの程度になることを確認しておく、そのうえで道路の状況がもたらす車間距離の変化には動じずにマイペースを貫くこと、これがマスツーリングにおいて適度な車間距離を保つポイントとなるでしょう。